中国の漢方「中医学」も、日本の漢方医学においても、「その人固有の体質および疾患の個性」をもっとも重視しています。 すなわち特殊性あるいは個別性というものを最も重視した医学・薬学ということができます。一般社会でもよく「個性を大事にする」とか言いますが、漢方の世界では個性をもっとも重視しているわけです。
一方、西洋医学においては、人間としての、人類としての「共通性」をもっとも重視します。
極論すれば、個性などは二の次だということです。医学の世界ですから「西洋医学的な病名に共通する特徴」を特に重視しているわけですね。
要するに、西洋医学はこの「共通性」を重視した治療学、ということができます。
ですから、問題のアトピー性皮膚炎にしても、中医学や漢方医学ではその人その人、それぞれの特殊性・個別性というものを重視しますので、その詳細な理論としては 既に別のページアトピー性皮膚炎と漢方基礎理論で御紹介したように、かなり綿密・詳細な分析力が必要なわけです。
この特殊性を把握して、その人その人の漢方処方を考えるという中医学や漢方医学の方法は、西洋医学とはまた異なった素晴らしい威力を発揮するものですが、諸検査の方法や、病名学的な分類方法、および治療法・薬物療法において、西洋医学特有のアトピー性皮膚炎における共通した部分の認識方法も参考に取り入れるのが、村田漢方堂薬局を代表とする 中医漢方薬学派の特長です。
個人個人の特殊性を重視する中医学(中国の伝統医学=中国漢方)や日本の漢方医学と、アトピー性皮膚炎における共通性を重視する西洋医学。
これら三者のよいところを合体したものが「中西医結合」です。
もちろん、合体させるからと言って、漢方薬と一緒に合成医薬品を服用することは絶対にあり得ないことです。
但し、急性炎症があまりにひどい時に一時的に外用ステロイド軟膏を使用していただく融通性を残していることは当然です。
むしろ最も重要なことは、中国医学や漢方医学と西洋医学の結合という合理性と融通性に満ちた方法論とは、西洋医学的な発想も漢方と漢方薬に取り入れ応用するということに尽きます。
つまり、もともと特殊性を把握して方剤を考える漢方のやりかたに加え、西洋医学的な共通性を考慮した漢方薬や中草薬類の配合を加える、ということなのです。
たとえば、村田漢方堂薬局において、西洋医学的な発想から開発したものに、次のようなものがあります。
ミネラル学の応用で、カルシウムとマグネシウムを中心にしたものに、これらに付随する微量ミネラルとともに、葉緑素系の天然原料から製造された医薬品の併用により、アトピー性皮膚炎などのⅠ型アレルギーやⅣ型アレルギーの「共通性」をカバーする。
これを土台として弁証論治にもとづく「個別性」に対応した漢方薬方剤を必要に応じて適宜併用してもらうというものです。
(とは言え「例外のない規則はない」といわれるように1割くらいの人には無意味ですが、この場合でも一般漢方処方の運用のみで十分解決することが可能です。)
長期にわたる臨床実践の繰り返しから生まれた中国の伝統医学・薬学の領域において、これらの先人の業績を「批判的に継承しなければならない」と、多くの中国の中医師らが公言されています。
一方、現代社会、今日のこの日本国において、西洋医学・薬学という各疾患に対する共通性の把握から得た膨大な研究成果と業績をヒントにして、これを中医学や漢方医学に応用できないはずはない!
その一つの方法が、上述した村田漢方堂薬局の方法、名付けて「中医漢方薬学療法」です。
現代社会における疾病構造というものは、実に複雑多変であり、これらに対処するには漢方医学・薬学の分野においても、高度に複雑化されて当然のこと。
ですから、軽医療の分野はともかく、難治性疾患はもとより、一般の慢性疾患に対処するには、漢方医学・薬学もそれなりに発展・進化の法則として、それ相応の知恵と工夫が必要である、といえるはずです。
