なかには既にステロイド外用薬を利用し尽くして、毎日塗ってもぬっても効果が出なくなり、最悪の状態となって止むを得ず漢方薬に頼らざるを得なくなって来局される人がかなり多い現状です。
かといって、塗らないでいると酷いリバウンドに見舞われるために止めるにやめられないというジレンマに陥っている状態の人も多くみられます。

あるいはステロイドが効かなくなり使用を諦め、漢方治療を含めた様々な治療方法を試みて一定以上は治らずに来られた人も多いようです。
このケースでは既にステロイド離脱を果たしているので、見かけ上の重症度とは裏腹に、漢方薬のピントと微調整がうまく噛み合いだす半年目以降には、急速に改善していくケースが多いものです。
問題は最初に述べたステロイド漬け状態でありながら次第に悪化しつつも、ステロイド軟膏の塗布を中断するとひどいリバウンドに見舞われるために、止めるにやめられない人達です。
重度のステロイド依存状態であっても悲観するには及びません。
漢方薬のピントが合ってくる頃には自然にステロイド外用薬の使用頻度と使用量が減ってきます。
最初の目標は同じ場所に1週間に1~2回の塗布で済むようになることです。
これが実現する頃には勝利は目前です。1週間1~2回の塗布で済むようになれば、ほとんど寛解に近い状態に限りなく近づいている証拠のようです。
現実にそのレベルの塗布で済むようになる頃には、見かけ上のアトピーはほとんど消えてしまっています。
また、同じ場所に塗布する回数が週に1~2回程度であれば、仮にこれを一生続けたとしてもほとんど副作用は出ないといわれています。内服のステロイドと異なって、 外用のステロイドは、塗布した場所だけの被害であって、その塗布する頻度が1週間に1~2回程度であれば、副作用の心配がほとんどないというのが実際のようです。
それゆえ、週1~2回程度の塗布で済む段階に達した時点で一安心、大きな峠は越えたということがいえるわけです。
漢方薬の基本方剤が見つけられないうちからこれをやられると漢方薬の効果は出せません。
ステロイド漬けになっていた人は、従来通りのステロイドを以前の通りのペースで塗布しながらでなければ、漢方のピントが合っているかどうかの判定が不可能です。ピントが次第に合ってくれば、自然にステロイドの塗布回数が減ってくるのですが、このときでもステロイドのランクを落としてはならないのです。
同様の軟膏を塗布しながら、自然に使用量が減ることを指標に効果判定を行います。それでなくても従来のステロイドでも痒みが止まりにくかった人が多い状況下で、漢方のピントが決まる前からランクを落とされたり量を減らされていては、何を使っても効果が判然とせずに五里霧中となって当然です。
二十代の男女ともども、半年~1年もすれば多くはステロイドを塗布する量が激減します。三十代や四十代の病歴が長い人ほどステロイドの減量ペースは遅い傾向にありますが、「ステロイド漬けの期間が長ければ長いほど減量ペースが遅くなる」と言い換えることができます。
皆さん状態が悪いからこそ来られるようになった人たちだけに、従来のステロイド軟膏は継続して塗布してもらいつつ並行して漢方薬の効果判定を行います。
漢方薬の効果が出る前から、こちらが知らない間にステロイドのランクを落とされたり、中止された例は経験がありませんが、想像するだけでも恐怖です。最近も新しくステロイド漬けの人たちが多数やって来られていますが、いずれもステロイドをこれまで同様に塗布してもらいながら、漢方薬の効果を判定してもらっています。
ところが、もしも漢方薬が効く前から、ステロイドのランクを下げられたらっと想像するだけでもゾッとします。
たとえ漢方薬のピントが合っていても効果はほとんど感じることが出来ずに五里霧中になることだろうと思わざるを得ません。ステロイド軟膏を減量したりランクを下げるのは、漢方薬の効果が明らかに出だしてから行うべきことです。
いきなりランクを下げらるだけでなく、塗布回数も激減されたのではリバウンドが生じるのは明白ですから、長期間リバウンドと戦う日々に陥るのは明白です。貴方はその激しいリバウンドと長期間戦う覚悟がなければ、絶対に行ってはならないことだと思います。
—漢方治療を開始すると同時に常用されていたステロイド軟膏のランクを下げ、塗布する量も激減させてしまったアトピー患者さんへ